つじつま

 明治時代のお年寄りから、「人生は最後にピタリとつじつまが合う」とよく聞かされたものだった。

 「辻褄」‥「辻」はわかるが「褄」を調べてみた。語源由来辞典によると『「辻」は裁縫で縫い目が十字に合う部分をさし、「褄」は裾の左右両端の部分を意味し、いずれも合うべき部分を意味する』とある。

 お年寄りの言う言葉は、単なる慰めや気休めのそれではなく、長い人生の実感を伴ったしっかりとした手応えのある手に触れられるような言葉である。よく「重みのある言葉」と言うが、その人の体験や生きてきた姿勢、思いの置き方や感情処理の仕方などが、手に乗せられるほどその言葉に物質化しているに違いない。
 人の幸せが比べられないように、つらさも比べられるものではない。辛いときには世界中の誰よりも辛く、真っ暗で広大な宇宙空間にたった独りで、世界中でいちばん不幸なものである。
 そんな体験を乗り越えて迎えた朝の光を知っているからこそ、深い実感を伴って言える言葉なのだろうと、還暦も近くなると理解できてくるのかもしれない。

 ある物事が起きるということや、誰かと出逢うということには、そこまでに至る道筋が必ずある。私たちは瞬間しゅんかん、意識的であれ無意識的であれ選択を重ねてゆく。足元に現れた踏み石のどれかひとつを選んで歩みを進めてきている。その中のどれか一つの踏み石が違っただけでも、いまここに至ることはなかったはずである。ほんの数秒の家を出るタイミングが違っただけでも、出くわす出来事や人が変わってくる。
 このように思いを巡らせると、言い古されたような陳腐な言葉に聞こえるかもしれないが、これまでのあらゆる事柄があったからこそ与えられる出逢いというのがあるのではないだろうか。

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