梅に鶯

 「よく咲きて鶯の来し老樹かな」鈴木白洋

 梅に鶯‥よく耳にする春の風物詩である。
 しかし、目にするほとんどの場合は梅にメジロであるとご存知だろうか。

メジロ
メジロ

 ホー ホケキョ と声を聴いて、目をやるとうぐいす色の鳥が梅の木に止まっているので、勘違いされるようである。Wikipediaにも「英名の「Bush Warbler」は藪でさえずる鳥を意味している。声が聴こえても姿が見えないことが多い」とある。
 ここ一番町でもその声を耳にすることはできるが、遅かった春に、今年はまだ聞くことがない。

               ウグイス
               ウグイス

 亡父が残してくれた掛け軸に、梅に鶯があったのだが、荷物が増えて手狭になったとき、処分しようと銀座の専門店に持っていったことがあった。
 確か日本画の大きな展覧会で大賞を獲得した画伯の作で、桐箱のなかには鑑定書と一緒に70万円の価格票が入っていた。書の掛け軸と二軸を壁に掛けた秘書の女性は「どちらもお優しい雰囲気でございますこと‥」といたく褒めてくれた。店主が留守なので、後日電話するまでお預りということになった。

掛け軸
掛け軸

 数日経っても電話がないので、一週間目に電話をすると、「ああ、あれですか‥」と、なんとなくぞんざいである。引き取り価格を訊ねると、二軸で五千円だという!父が喜んで手に入れたものを、そんな金額で手放すことを考えると哀れな気がして引き取ってきたのだが、旧知の友人宅に立派な床の間があったのを思い出した。27年前にアメリカから来日して日本人の友人と会社を起こし、副社長となった彼は大成功して等々力に立派な日本家屋を買ったのだった。友情の徴にもらってくれないかと、銀座の店での話をしたら笑って受け取ってくれた。
 ネットオークションにでも出せば、数寄者はそれなりの値で買い取ってくれたかもしれないが、それも何となく気が引けたのである。
 あの掛け軸も、今年の春はきっと立派な床の間に掛けてもらったに違いない。

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