先祖

 いまでは数少ない明治生まれのお年寄りに囲まれて育った。明治生まれのお年寄りは「ご先祖様」という言葉を口にするとき、必ず両手は胸の前で合わさり頭を垂れていたものである。

朝起きて一番にすることはお仏壇へのご挨拶とお掃除。いただきものはまずお仏壇に備えて後、ご先祖様からそれを分けていただく。毎日の生活の中で行為と言葉と意識が一つのものとして機能していたに違いない。

 「ご先祖様は大切にしなければ」とさんざん言われて育ったが、先祖の意味がピンとこないというのが正直なところである。

 誰にでも両親がいて、それぞれに両親がいる。そしてその二人にも同じように二人づつの親がいてと数えてゆくと‥

 一代前に2人、二代前で4人、三代遡って8人‥
 十代遡ると       1,024人
 二十代目には    1,048,576人
 三十代目では 1,073,741,824人

 と、とんでもない数になる。三十代前にそれだけの人口はいなかっただろうなどという疑問も湧くのだが、それだけの数の関係性があったのは紛れもない事実である。関係性の数と考えると。横一列の合計数だけではなく、縦の数も合計しないとならないかもしれない。ともかくそれだけの数の「ご先祖様」が誰にも必ず過去にいて、その誰か一人でも欠ければ今の私の存在は有り得ない。
 そのどこでも切れていない命の流れを総称して「先祖」という風には考えられないだろうか?
 
 昨年6月に次男夫婦に子どもができた。初孫の出現である。還暦を前にして初めて「爺」という文字が俄にリアリティを持ち始めた。
 生命が次の世代へと続いてゆく。
 その喜びと同時に、どのような世界を残してゆくのかということに、とても大きな責任感を感じる。

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