Symbiosis=共生

 現代の生態学ではまだ受け入れられていないとも言われるが、故今西錦司博士の「棲み分けの理論」は素人から見ると、「競争原理」に対して融和的な「共生原理」が強調されているように感じられる。

Giant Pink Sea Snail
Giant Pink Sea Snail

 ダーウィンの「適者生存」の原理は、ある意味で事実かも知れないが、あくまでも残ったもの勝ちという「勝ち組の論理」と思えてならない。それに対して「棲み分けの理論」は、種どうしが与え合って互いに生存を支える、美しい調和で成り立つ「分かち合い」の世界に見えてくる。
 先日アメリカ人の友人から『The Medusa and The Snail』という本のおもしろい話を聞いた。
 Snailは貝殻をもたない海の生物(ウミウシの一種)らしいが、その口元にMedusa(クラゲの一種)が単細胞で寄生していて、ほとんどの生命活動はウミウシに依存しているという。残された機能は生殖機能くらいで、ウミウシの口元でどんどん成長していく。そして大きく成体にまでそだったクラゲは海中を漂い、ウミウシを見つけると体を広げてウミウシを包み込むという。世話になったウミウシを食べてしまうのか!?と思いきや、しばらくするとウミウシがそのクラゲを内側から食べていくというのだ。内側から食べて食べて、最後のひとかけらになったクラゲはまたウミウシの口元にくっついて寄生生活に入る。寄生するために自ら食べられるにゆくというのである。

Medusa
Medusa

 この本を著したLewis Thomasは、「Symbiosis=共生」にこそ生命の基本原理があると述べる。私たちの細胞にもあるミトコンドリア。それも同じ原理だということらしい。遺伝子的には全く別のミトコンドリアが、細胞内に入り込んでくれたおかげでその細胞はエネルギー交換ができるようなシステムを獲得するというのだ。植物の細胞に、単細胞のクロレラが入り込んでエネルギー交換ができるようになった、というのも同じパターンだという。
 大企業の生き残る道も、そしてすべての人類が生き残る道も、こういった「Symbiosis=共生」にこそ、そのヒントがあるのではないだろうか。

 

松岡正剛の「千夜千冊」
人間というこわれやすい種』ルイス・トマス

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