平安は静寂の中に

 無謀にも茶の点前を習いはじめて数ヶ月でお茶会を開いた。といってもお道具も作法も粗末に違いないが、茶の要は押さえられているのではないかと内心どこかで思っている節がある。それは下手をすると道を歩む妨げとなる危惧もあるのだが、道を踏み外す心配はしていない。

 何についても決して否定はしないお師匠様なので、大らかに暖かく見守ってくださっているのだとは思うが、私が開くお茶会に黒川先生造語の「ティーセラピー」を冠することにお許しを頂いた。とても有り難いことである。
 何がそれほど毎週楽しみに稽古へと足を向かわせるのかと考えてみたが、適切な言葉が思い浮かばない。強いて文字にしてみると、生まれた頃から包まれていた沈香の香りの中に居る時に味わう「静寂」を感じるからかもしれない。そう‥沈香の香りは静寂なのである。そして茶の真髄は、同じく静寂にあるような気がするのだ。

 静寂‥それはこれといった何かがあるのでもない、ただただ茶を点てるという一つの流れの中に居るだけのことである。と言っても、世の全てのことを置き去りにしてそこに居る訳ではなく、世の悲しみも喜びも、あらゆる苦しみも空っぽの私と共にあり、しかも何もない時間と空間なのだ。それはとても逆説的な時空である。メタフィジカルでありメタフィロソフィカルな時空かもしれない。現実主義的な目から見ると、酔狂とも数寄者とも映るかもしれない。しかし、私にとってはお経を上げている時やヨーガを修している時と同じく、たいへん尊い貴重な時間なのである。
 それは何故か!?一言で云うと、何もしないからと言えるかもしれない。人はほとんどの時間を生活のため、誰かのため、何かをするために忙殺されている。そのような毎日の中で、何もしないという時間空間ほど貴重なことはないのではないだろうか。別の言い方をすると、普段に忙しい脳の働きを休め、脳内バランスを美しく整える格別な時間であると言えるかもしれない。

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