第1回設立準備会報告

2011/11/12「一般社団法人 森になる:第一回設立準備会」報告

○日時:2011年11月12日(土)18:00-20:00

〇場所:いきいきプラザ一番町会議室

 

 当日は天気も良く、参加者各自の関心や専門的立場から、活発な討議が交わされました。 また、参加いただけなかった方からも好意的なコメントをいただきました。すでに衆議院第一議員会館での発表(11月17日(木)のご報告)からも知られるように、「森になる」への関心と期待の高さをうかがわせます。

 12日はまず、河野さんがプロジェクターを使って、「森になる」設立への想いとコンセプトを語ってくださいました。河野さんはもともと浄土宗寺院の副住職、老人福祉施設が併設された寺院で、身よりのない方の無縁墓を遊び場にして育ち、生活相談員として施設で働くなかで、終末を迎えるときに、葬られる場所のあることが、やがて迎える死を意識しているお年寄りたちに、深い安心感を与えることを見てきました。現代では、少子化高齢化を背景に、「子どもに迷惑をかけたくない」という気持ちも強く、生前契約で墓を作らないという選択をされる方もいます。そのような中、1999年には岩手の一関で日本で初めての樹木葬が行われました。また、2003年の日本消費者協会のアンケートでは、遺灰を海や山へかえす「散骨」について、55.8%の方が肯定的な回答をしています。このような社会的動向を背景に、河野さんは6年ほど、樹木葬の推進と啓蒙についての構想をあたためてきたといいます。

 終末をどのように迎えるか、そして亡くなった後、自分はどのように見送られていきたいかということは、しかし個人の問題だけではありません。そもそも、墓碑をたてて弔われる埋葬と、樹木葬や桜葬や海洋葬といった自然葬は大きく区分されます。樹木葬に着目すると、たとえばスウェーデンの世界遺産である森の墓地(スコーグスシュルコゴーデン)では、あらゆる宗教の人が同じように手をあわせられる森林葬という形がとられています。また、針葉樹植林による生態系の変化が原因で、山の保水力が低下し、地滑りなどが起きたり、赤潮が大量発生するという状況から、牡蛎の養殖業者が植林を行うという動きも見られます。また、(財)国際生態学センターの宮脇昭氏は、潜在自然植生を提唱・実践され、河野さんもこの活動のお手伝いをされているとのことでした。このように、「樹木葬」は従来の選択肢に加えて新しい弔いの形を提案するにとどまらず、人と自然、人と人との「つながり」を回復するためのいとなみにもなるのでは、ということです。

こうした河野さんの発題をうけて、尾崎さんはスピリチュアリティ研究やポジティブ心理学の観点から、「森になる」を語ってくださいました。311以前にはあまり「死」のことは考えず、クリスチャンなので仏式の葬式には参加せずしても手をあわせなかったというご自身の背景もふまえ、スピリチュアリティとは「つながり」であり、他者に喜びをあたえる実践が自己の健康にもつながるというポジティブ心理学の視点から、この活動の意義について触れられました。

 渡邊さんは、そうした「つながり」ということがご自身の体験からも実感され、関心をもたれていました。また、甲田は、人間とはそもそも自然の「中」にいると同時に自然を「内」に含む相互反転的な存在であり、そうした立場から、つながりへと生前に拓かれつつ、お開きを迎えられるという自然葬のありかたは大切なのではないかと提起しました。
 

 以上のような、心理学や哲学的方面からの提起に加え、茶人の黒川さんは、「供養」という観点から樹木葬について述べられました。「家」というものから独立した「個」という近代の課題に対し、「家」の重圧を感じずに、また「シンプルにすっと」供養を行なえるようになりたいというご自身の関心から「森になる」を「平成の宗教改革」と評されました。また、「お茶」が結婚式の方式にもなる「茶婚式」があるという現代の風俗も鑑み、たとえば結婚式のときに植樹するということも考えられるのではないかという、前向きな提案も出されました。

 また、実務の方面からも貴重な意見が出されました。丸山さんは、設立準備会や今後参加されるメンバー・会員たちの間に情報断絶がおこらないように、ネットを活用して、逐一の報告や意見交換ができるようにしてほしいというお考えを披瀝されていました。

 仲佐さん・佐原さんは、実務的な立場から、定例的な会合(サロン)を重ね、その中で方向性を定めつつ、同時に一般社団法人への申請を進めるということ、定款の内容や理事選出について、また別に討議・決定する場を設けたほうがよいことを提案されていました。

デーヴさんは、日本における古来からの儀式の大切さについて強調され、従来の伝統的な方式を否定するのではなく、選択肢のひとつとして「森になる」を提案していけばいいというご意見でした。

 また、「植樹」の活動には関心を持ち携わりながらも、家は代々お墓が守られており、「自然葬」には実感がわかないというご意見もあり、このことから逆に、「樹木葬」をめぐる問題のひろがりを捉えることができます。

 第1回設立準備会における、以上にご紹介した議論からもわかるように、「森になる」は、個人の終末から葬儀のありかた、自然や他者との共生、亡くなった方の供養、多様な意見の方を活かせる組織作りなど、たくさんの課題があります。理念・活動・運営などにつき、関心を共有できるみなさんのご意見・提案をうけながら、大きな広がりへと発展させていきたいと考えます。

(文責:甲田烈)

一般社団法人 森になる

〒1020082 

東京都‎千代田区一番町 6-4-712

・富士山連絡先

〒401-0511

山梨県南都留郡忍野村忍草2674-1 

        ダイアパレス富士忍野A304

代表理事:河野秀海

morininaru@gmail.com

FAX:03-6740-9949

Facebook ページ

↑クリック

  携帯アクセス
  携帯アクセス